探偵ブログ

探偵の秘策

秘策といえば聞こえがいいですが、私の場合、苦心の割には良いアイデアも浮かばず、いつも愚策ばかりのようです。一風変わったご相談を受けました。あるゼネコンからのご依頼で、ある人物と取引したいのだが相当の変わり者で話にならず玄関払い、近隣との交流もまったくないため情報もない。大型プロジェクトを進行中だが契約を結ぼうにも一向に前に進まず困っている。とにかくなんとか早く話しを進めたいというものでした。愚策の探偵は早速、現地に入り近所で情報収集を試みましたがやはり収穫なし。普段ですと着手前に調査方法や日程を決め、それなりの準備を整えたうえで調査に取り掛かるのですが、今回は適当な調査方法も浮かばず、着手早々、頭を抱えることになりました。今までに分かっていることは、一人暮らしの70過ぎの老人であること、何年か前に都会からこの町に越して来たこと、周囲の人とは交流がないこと位です。ご依頼主の情報によると老人は大型プロジェクトの用地の一部所有者で、10年前に購入したらしいが、前所有者も亡くなっているため当時のいきさつも何も分からないままといいます。愚策探偵は数日間頭をひねりましたが、さっぱりいい案が浮かびません。分からないときはとにかく歩け、とにかく粘れという先輩探偵のアドバイス通り、歩き粘ることにしました。二週間後、探偵はあることに気づきました。その老人は二、三日置きに朝早く車で出掛けること、そしてその行き先は決まって海、一人で釣りをしているのです。そこで探偵も釣り人になることにしました。最初は口の重い老人でしたが、釣り道具や魚のことで次第に打ち解け、遂にはプライベートのことまで打ち明けるようになりました。都会から引っ越してきたのは妻が交通事故で亡くなった所に居続けけるのは辛過ぎるから。土地は妻が苦労に苦労を重ねてようやく手に入れたもの、おいそれとは手放せない。と心情を明かしました。愚策探偵はご依頼主に老人の亡き奥さんの名前をプロジェクトのどこかに残すことを提案したらどうか、そして何かに役立つほうが天国の奥さんもきっと喜ぶはずといいました。老人は次第に軟化、土地を売ることに決めたということです。とんだ秘策でしたが、案ずるより産むが易し、終わりよければ総てよしの心意気できょうも奮闘中です。

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