探偵ブログ

探偵の反省

近頃、小説というものを読む機会がめっきり少なくなった、というより元々本を読むのが苦手な私ですが、私の数少ない読書歴の中で最も印象深いのが、ある小説家が亡くなる直前に言った心尽くしという言葉です。

その作家が生前にどんな思いで小説を書いてきたのかなど、一読者にとって全く興味の湧かないことでしたが、最晩年のあるエッセイで知りました。

心尽くし。ちょっと恥ずかしくもあり気高い言葉なので、安易には口に出せません。恐らくその作家は良い小説を書きたい、読者に喜こんでもらいたい一心で渾身の力を込めて書いていたのだと思います。すでに没後半世紀以上経っていますがその小説は未だに色褪せることなく人々の心に深く刻み込まれているようです。

心尽くし。どんな仕事にも通じる言葉のような気がします。私達探偵という職業にも通じる言葉だと思います。皆、日々の忙しさにかまけて、仕事もついつい流れ作業になってしまいがちです。これまでの経験値に基づいて、「以前この位でOKだったから、今回もこの程度で良いだろう」とか、仕事が立て込んでいる場合、「次の仕事が待っているからこの位で切り上げよう。」とか、あるいは酷いのになると、「デートの約束があるから早く帰ろう」など、スピーディーに仕事をこなすという体の良い言い訳をぶら下げて。

私は元来怠け者というか、仕事をこなすのが非常に遅い質なのでいつも怒られてばかりです。それでもなんとかようやく仕事を済ませ、ほっと一息ついて一人で仕事の内容を振り返りながら反省する時、時折、心尽くしという言葉を思い出します。本当にお客様のために心を尽くせただろうか、もっと何か自分に出来ることはなかっただろうか。

あれこれ想いを馳せながら、「きょうは結果はともあれ最善を尽くせたから明日はもっと良い仕事をするぞ。」と心に誓って休みます。

そうして得られた結果がお客様に通じた時、苦労して良かったなあと、つくづく思います。心尽くし。ちょっと背中が痒いですが、未熟者の私にとって本当にありがたい言葉です。

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