いじめの問題は、いじめる人、いじめられる人、その周囲の人間や教師など、多くの人間が存在するため、対応することが難しい社会問題の一つです。
いじめられる人は、家族や教師など、周囲の大人に助けを求めることもできず、悲しい結末になるケースが跡を経ちません。
今回は、最近のいじめ問題の特徴について解説していきましょう。
最近のいじめ問題の特徴
いじめる側の子供は、はじめはからかったり冗談のつもりで、「デフ」「バカ」など言葉を浴びせて、その反応を見て楽しんでいます。
加害意識はなく自分は悪いことをしている気持ちはなく、グループで冗談感覚を楽しんでいる状態です。
しかし、次第にそのゲーム感覚がエスカレートして
「汚い」「死ね」といった人間を強烈に傷つける言葉を吐いて、歯止めが利かなくなっていきます。
はじめはゲーム感覚で笑っていた仲間たちも「これはヤバイよ」と思いながら、知らん顔をします。
なぜなら、リーダー的なボスのいじめ行為に「止めなよ」「ひどいよ」と言うと、今度は自分にいじめの矛先が向かってくるからです。
いじめ行為はどんどんエスカレートする特徴があり
加害者はやめられなくなります。
はじめは言葉から始まっても、次第に蹴ったり、殴ったり、盗みを強要させる、といった暴力的ないじめに発展することもあります。
いじめられる子供も周囲の子供も知らん顔するのは自分を守るため
いじめ行為を見て、周囲の子供が、「やりすぎだよ」「やめなよ」といえば良いのに…と思いますが、多くの場合知らん顔して見てみぬふりをします。
それは、いじめ行為を注意したら、今度は自分がいじめらてしまうからです。
自分はいじめと無関係でいたい、自分を守るために知らん顔をするのです。
いじめられている子どもも、自分がいじめられているという被害意識が強くないことも特徴です。
いじめられているという事実を認めたくないので無視をする、いじめられても仲間に入れて欲しい、といったこどもながらの心情があります。
いじめる子といじめられる子供の対象はちょっとしたキッカケですぐに変わるので、教師や親はいじめを発見しにくい特徴があります。
いじめ問題は包括的な問題解決が求められる
いじめ問題は、複数の要因が複雑に絡み合い、多面的から問題を捉える必要があります。
近年の学校教育は、学力重視の教育体制となっており、知的能力を重視して多方面から子どもを評価することが少ないです。
勉強ができないと落ちこぼれの劣等感を抱えて欲求不満となり、他者を攻撃するといったいじめ行為に繋がります。
近年は、教師への管理体制が厳しいことによるストレスから、教師が言葉の暴力など、子どもをいじめることもあるので急速な改善が求められます。
最近のいじめ問題は、生命の危機的状況へと追い込むほど、心理的苦痛を伴います。
複雑ないじめ問題は包括的な問題解決が求められる時期に来ているといえます。