離婚するときに養育費の取り決めをしたにも関わらず、未払いが続く事例が増えています。
元夫が養育費を支払ってくれなくなった場合はどう対処すれば良いでしょうか?
離婚する際は養育費を取り決める
離婚する際に、夫婦の間に未成年の子供がいた場合は、親権者は相手に養育費を請求することができます。
養育費とは、親が子供の養育のために負担すべき費用のことです。
子供の養育にはお金がかかるので、離婚しても親は子供に対して金銭的な負担をする義務を負います。
養育費を取り決めても支払ってもらえない?!
養育費に関しては、離婚時に夫婦が話し合って、月額や支払い方法を決めます。
厚生労働省の調査によれば、母親が親権者となった事例は、文書で取り決める人は73.3%、文書なしは26.3%です。
そして、離婚後に養育費を定期的に受け取っている人は24.3%、過去に受け取った人は15.5%、受け取ったことがない人は56.0%となっています。
離婚後に養育費を取り決めたとしても、不払いが起きて支払い滞りのケースが増えています。
養育費を未払いにされたときの対処法
養育費未払いの対処法は状況に応じて2通り考えられます。
離婚時に、養育費の支払いを取り決めた「債務名義」がある場合は、調停をせずに、すぐに相手の財産や給料を差し押さえることが可能です。
「債務名義」とは、「離婚公正証書」「調停調書」「和解調書」「判決書」が挙げられます。
協議離婚で口頭のみで養育費の合意をし、書面にしなかった場合、書面を公正証書にしなかった場合は
債務名義がありません。
債務名義がない場合は、まずは家庭裁判所で「養育費調停」を申し立てる必要があります。
養育費の調停では、調停委員を介し、家庭裁判所の定める養育費の算定基準に沿って、養育費の金額、支払い方法について話し合い、決定します。
調停がまとまったら「調停調書」が作成されるので
それを持って強制執行に進みます。
調停で合意できない場合には、養育費調停は「不成立」となり「審判」に移行し、裁判官が妥当な養育費の金額を決め、相手方に支払い命令を下します。
相手の職場を突き止め強制執行・差し押さえをする
離婚後、養育費の不払いとなった場合、債務名義があれば、相手の資産や給料を強制執行・差し押さえて、養育費を強制的に支払わせることができます。
給料を差し押さえるためには、相手の職場を突き止めて「債権差押え命令」の申し立てを行います。
銀行預金の差し押さえ命令を申し立てると、裁判所が銀行に対して債権差押命令を出します。
その後は、銀行から直接預金残高を支払ってもらうことができるようになります。